
創明クラブ 田辺 昭人
※詳細箇所にリンクします。
11月13日(第1日目)東京都 板橋区議会「空き店舗活用による、新たな商店街活性化戦略」 >>
11月14日(第2日目)熊本県 熊本市議会 「くまもと水ブランド創造プランの展開」 >>
11月15日(第3日目)福岡県 宗像市議会「小中一貫教育の推進」 >>
「空き店舗活用による、新たな商店街活性化戦略」
今、地域商店街の共通する問題として、空き店舗の増加が挙げられる。シャッターの閉められた店舗が商店街のイメージダウンと賑わいを損なう結果を招いてしまっている。
板橋区ではこの問題を重く受け止め、「空き店舗0作戦」と銘打って、空き店舗入居者支援事業を平成14年から始めた。これは本市経済部で行っているお見合い事業と同じく、貸す意思のある空き店舗の所有者と新規に開業を希望する人を紹介し同時に、家賃補助を3年間にわたり支援するというものである。その結果39店舗の開業を実績として残すことが出来たが、そのなかで12店舗の廃業・移転があった。果たして、空き店舗を埋めるだけでいいのだろうかということが、現状の問題となっている。
埋めるだけでは業種構成に片寄りが生じて、商店街全体のにぎわいにつながらないことから、より集客効果を高める支援制度が必要となり、そこで平成17年度より「空き店舗活用モデル事業」が考えられて運用されることになった。この事業は商店街が主体となって空き店舗を活用し、全体のにぎわい創出と集客効果を高めるためテナントコントロールも含めて行う商店街活性化事業である。板橋区では現在、区内6箇所の商店街で事業展開を行っている。
今回の現場視察となったハッピーロード大山商店街は東武東上線大山駅ににあり、その歴史は古く、中仙道の宿場町として栄え、戦後沿線の住宅化とともに急速に多くの買い物客が訪れるようになった。昭和53年に2つの商店街が合併し、板橋区で最大の商店街になった。幸いにも近隣に大型商業施設がないこともあり、地域住民の生活に密接した商店街である。最近では経済産業省の「全国がんばる商店街77選」・「第2回東京商店街グランプリ」を受賞している。視察をさせていただき、感じたことは
これは、学生のボランティアを中心に運営されるレストラン・喫茶店の テーマである。
以上のことから、このような事業の共通の効果は
等が考えられ、課題として
が、考えられる。しかし、各商店街の地域特性や規模・構成の違いがあることから、一概に語ることは出来ない。冒頭に述べたように、今何かをしなければ、既成の地域商店街が今後、生き延びることは大変難しい状況にあることは否めない事実であり、その観点において、たいへん有意義な視察であった。
「くまもと水ブランド創造プランの展開」
阿蘇山を背後に控える熊本のイメージはこれまで、「火の国 くまもと」であった。今回、視察に伺いそのイメージが一新された。熊本市は67万市民の水道水源を100パーセント天然地下水で賄うという世界的にも稀な都市である。これは阿蘇の地層と約400年前、加藤清正公などの治水政策によって築かれた水田や森林が、この地方の地質とあいまって大量の水を地下に供給するという環境がそれを可能にしている。そのメカニズムによって長い年月(約20年)をかけた天然水は適度なミネラルと炭酸分を含んだ全国でも有数の名水といわれている。
そこで、熊本市では「まちづくり戦略」に掲げるターゲットの一つである「人々が集う元気なまち」の実現に向けて、水を活かした都市ブランドを形成し、地域の賑わいと活力の創出を目指すこととした。そのためにはまず、水に対する市民・事業者・行政三者の認識を共有し、主体的に活動することが基本となった。
以上の展開を図っている。特に3.にある、地方独特の水文化の保存・伝承は重要なことと考える。その理由は、自然・歴史・風習・人物・芸術など有形・無形の資源について、市民共有の財産として位置づけ、価値を顕在化させることによって、市民協働で保全、保存に取り組むことは、熊本市だけでなく本市にもいえることだからである。熊本では「水遺産制度」を創設、選定・顕彰し、観光資源として活用を図っている。
また、「水守制度・水検定制度」を創設し、熊本の水に強い関心と理解を示し、行動する市民を育成し、その活動を支援している。
このようなソフトとハードの両面からの取り組みは、すばらしいことと思う。今後、それぞれの戦略として、バランスのとれた展開が望まれる。
「小中一貫教育の推進」
宗像市は、北九州市と福岡市から、それぞれ約30キロメートルに位置し、大都市圏のベットタウンとして、また市内に3つの大学が立地する学術都市でもある。平成15年に玄海町との合併に続き、平成17年大島村と合併して、新しい宗像市となった。
大島は文字通りの島部であり、そこに学ぶ生徒数は本土に比べ、少人数である。合併後、小、中の両校の老朽化から、建てかえるにあたり、「施設一体型」として建設することになった。このことも、この計画の動機のひとつといえる。また、宗像市では、小学校と中学校における教員間の意思疎通や教育内容の連携が十分でない等の考えに立ち、平成18年度からモデル校を対象に、小中一貫教育を目指した取り組みを開始した。
教育区分は4・3・2年(前期小1~小4 中期小5~中1 後期 中2~中3)を設定。
現在、調査研究段階でもあり、現行の教育基本法に基づき、また学習指導要領に示された目標や内容、指導時数に則して編成・実施されている。
また、総合的な学習の指針を作成し、特色ある学習を行う。
小中一貫教育は以上の基本に立って、宗像市では取り組まれている。
小中一貫教育は、個人的にもこれまでも興味を持っていたテーマであり、今回の視察は大変有意義なものであったと思う。現在、社会問題化している不登校やいじめ問題も含め、教育の改革は、わが国の教育にとって、差し迫る大きな課題であるといえる。
一方、本市においても同様な、基本理念に基づき、学区内の小中学校連携の試みが実施されている。双方の管理職・担当者による小中連携会議や研修会の開催、交流事業として授業参観や体験授業・合同交流授業への取り組みである。これは宗像市と同じく、中1ギャップからなる不登校児童の発生を無くしたいとの考えであり、本市においても共通するところである。
しかし、もう一歩踏み込んでみる必要があるのではないだろうか。例えば学区の小中学校合同で義務教育9年間を見通した、総合的な学習の指導計画に基づく、教科別の指導内容について、共通理解が不足していると思う。
また、専門科目の教科担任制の検討や、小中一貫の英語教育の必要性についての意見など、もっと広く意見を聴取すべきではないだろうか。
保護者と地域の声が、この施策に反映されていないことを懸念する。
義務教育における小中学校のあり方とは、保護者・地域・学校が三位一体となってこそ、本来の形ではないだろうか。そして、教育委員会(行政)はそれを指導・支援する立場と考える。
今回、宗像市の現状をうかがい、小中一貫教育に対する期待を持つと同時に、今後の教育改革に向けて、積極的な調査・研究・議論の必要を強く感じた。
