活動報告

9月25日視察 シティセールス・東京下町の「ものづくり」

平成21年9月25日
田辺 昭人

1.シティセールスについて

面談者
オフィス・オカダ&パートナーズ 代表 岡田 興氏
イースト・インターナショナル 代表取締役 吉田 邦正氏

吉田氏のご紹介でお会いした岡田氏は、JTBの元常務を務められた方で、グループ企業であるサンルートホテルチェーンの代表も務められたそうである。
現在、実戦コンサルティングとして活躍する傍ら、某テーマパーク内のホテル建て直しを計画しているそうである。
岡田氏とお会いして、「町おこし」・「シティセールス」について、意見交換を行った。以前に横須賀市議会で、議員研修会を行った際に同テーマでJTBの役員の方からお話を伺ったことがあっことを思い出した。
氏の経験談で興味深く思ったことは、

(1) なるべくコストをかけないこと
   既存施設の利用
(2) 民間の活力を利用すること
   官主導では、うまくいかない

また、イベントの成功例としては、
・ 花系
・ ガーデニング系
・ スウィーツ(お菓子)系
・ おもちゃ関係
など、あげられた。

このことから、本市に当てはまる要件がいくつも該当しているように感じられる。
特に、本市の西地区である長者が崎から、秋谷、佐島から長井に至るコースには、遠く富士山・江ノ島を望む絶景と青い海、後背の深緑があり、そして集客施設としての「ソレイユの丘」の利用など、絶好の条件が揃っているように思う。
これらの条件を生かしつつ、誘客が望めるイベントの仕掛けづくりとを融合させていくことが、新たな本市の魅力づくりとなるのではないだろうか。

2.東京・下町の「ものづくり」

面談者 ㈱東伸産業  代表取締役 平野 貞雄氏


平野氏は、30年来の友人であり、私が以前サラリーマン生活を送っていたときの顧客である。
葛飾区小岩で金属加工部品の会社を経営されている。
取り扱う製品は、薄板をプレス加工し、その後熱処理することで、製品にばね性を付加したものである。自動車関連の部品のほか、電気製品、事務機器関連など多くの業界で使用される、いわば広範な分野で利用される基礎的製品である。
これまで、製造業の活況とともに成長してきた産業といえよう。
製造工程は、金型の製作、プレス工程、熱処理工程、表面処理(メッキ)などがあり、その製造過程からも裾野が広い産業構造にある。
特に、下町の零細企業では、ほとんどが家内製工業の体質をとりながら、その各工程を支えているのが現状である。かつて、東京の下町には多くのおもちゃ工場や各産業の下請工場がひしめき、賑わっていた。しかしこの10年で、その製造は中国などの海外へ移転し、その需要は大きく変化した。
変化した需要に対し、これら企業はワークシェアを実施して、週/4日稼動にしているとのことである。これは、国の支援策を受けての対応だそうだ。
今年、2月ごろは通常の半分まで受注が減少し、まだ好転していないそうだ。
そのようななか、ここにきて自動車関連、特にトヨタ関連に復調が見え始めてきたようで、やっと7割の状況になったようである。
まだまだ、予断は許さない状況ではあるが、ものづくりに対する思いが萎えていないことに、安堵した。
一番大事なのは、厳しい状況にあっても「折れない心」であり、これまで維持してきた「品質へのこだわり」ではないだろうか。
これまで培ってきた「技術」と「品質」はおいそれと、海外移転は図れないだろう。逆境にあることに違いはないが、社会の変化に伴い、それに対応していこうする「下町のものづくり」に対する気概を見て、心強く感じた視察であった。
このことは同様に、本市の産業界にも通じることである。
行政は、本市の産業構造やその潜在能力をもっとよく知る必要がある。そして、その情報をより効果的に周知しなければならない。
ここで、長野県の岡谷市・上田市などの例を挙げると、この地方はかつて、養蚕が盛んで絹糸紡績で国の基幹産業のひとつであった。(小説「ああ、野麦峠」で有名)しかし、世界恐慌を経て、ナイロンなどの化学繊維の進歩発達で一挙に斜陽となり、方向を変えることになる。戦後は、その精密な技術を利用し、輸出用としてオルゴールを生産することから始まり、カメラ・時計など精密分野に進出して日本のスイスと呼ばれるようにまでなったのである。さらに時代の変化に見事に対応して、今はコンピュータ関連の精密分野で見事に日本企業のフロントランナーたる位置づけとなっている。
この地方が見事に変貌できたのは、紡績で培った精密な作業がベースになっていることである。仕事の内容は時代と共に変化しても、技術力は生かし続けてきたのである。これが、この地域を育んできた、大きな要素だと私は考えている。
前述したように、本市行政は市内事業者の本質に、もっと触れなければならないと考える。それが、本市産業の育成と活性化について、最重要なことではないだろうか。

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