議会報告

平成21年 第3回定例会 一般質問 原稿

田辺昭人です。発言の機会をいただき、ありがとうございます
発言の通告に従い、質問をさせていただきます。

まずはじめに、吉田新市長、ご就任おめでとうございます。
多くの市民の皆様の負託を受けて当選されましたことに、あらためて敬意を表するところです。これから横須賀市42万市民のかじ取り役として、明るくさわやかな市政運営をお願いいたします。

それでは、質問に入らせていただきます。
私は吉田雄人市長の就任に当たり、今後の市政運営についてお尋ねいたします。

一つ目の質問として、市政の継続性についてお尋ねいたします。
市政の継続性については、その中断や変更に伴い、市民にとって混乱を防ぐことが、大変重要なことであると考えます。いうまでもなく市民のための市政運営であり、その点においては前市長も新市長も同じ思いでその任にあたることと思います。
吉田市政のはじめにあたり、企業誘致の推進や保育園の待機児童数の減少など、これまでに取り組まれ、一定の成果が上がりつつある施策の今後の継続性に対し、多くの市民が注目するところであります。

また、「改革」の名の下に現状を打破することが、一方的な破棄であってはならないと私は考えます。すでに新聞報道によれば、救急医療センターの建設や美術館アドバイザーの対応について、前市長と異なる方針を発表されています。
また、先日8月30日のTBSテレビ、「噂の東京マガジン」で放映された、1万メートルプロムナード流水施設の補修計画に対するインタビューの中で、市長はこの補修計画の見直しを行うとして、ゼロベースにすると明言されました。
これらの良し悪しは別にして、相手がある事柄については事前に関係者と協議された上で進める事が大事であり、そのうえでご判断されるべきではと、私は考えます。
特に、この流水施設の補修計画については、地元である日ノ出町住民の方々から、稼働停止中の施設に雨水が溜まり、害虫の発生等の苦情を受けて改めて整備を図ることになったものであり、町内に対する説明も6月に行っています。
今回の補修計画の見直しがあるならば、地元住民に対し、報告し協議するのが筋道と考えます。
さらには、先に行われた市長選の際、当時候補者であった吉田市長はマニフェストを示し、「現状を打破し、市政改革を推し進める」として今後の取り組みを示されました。
その中で、施策掲載に当たっての原則として「同マニフェストでは、上水道・港湾・清掃などのように重要な施策・事業であっても既存のものは、掲載していません。」と記しています。
あくまでも新規、変更、拡充すべきものを中心に取り上げているとのことであります。
この点について、これまで進められてきた蒲谷市政における各施策の一部は、吉田市政において基本的に継続されつつも、「私の信条に照らし、現在その必要性について吟味している」と、所信表明の中で述べられていますが、既存の計画や事業のうち、「信条に照らし、必要性のないと思われる」ことがあるのか、具体的にお示しください。


次に入札制度の見直しについてお尋ねいたします。
本市における入札制度の改革は、平成6年以降これまで指摘されてきた諸問題、いわゆる談合、収賄や適正な工事請負額等の問題を解消するため、全国に先駆けて一般競争入札と最低制限価格制を用いた電子入札制度を導入いたしました。

この入札制度改革によって、入札本来の姿である競争性、公正性、透明性の確保が実現されました。
当時、このことは他都市においても高く評価され、長崎市、佐世保市,松坂市などの9自治体において本市のシステムを採用し、現在も共同利用されるに至っております。
また、2004年にはIT分野で世界最高峰と称される「世界情報サービス産業機構」のIT賞を受賞し、このことは公共分野において日本初の受賞という栄誉を受けたとのことであります。

一方、この電子入札制度が運用されるにつれ、課題があることも浮き彫りとなってきました。
ひとつは、予定価格を決めるにあたり、くじ引きによって最低制限価格を決定した時期があり、公共事業でありながら「運次第」との批判がありました。
また、積算をしなくても入札に参加できる制度であったため、正規な積算に基づいた価格を提示した業者が必ずしも報われないといった状況が生まれたようです。

その後、こうしたことへの是正を図るため、平成16年から現在の形である「平均額型最低制限価格制度」を導入することになりました。

入札制度自体、発注者と受注者が存在する以上、この適正価格というものを見出すことは困難を極めます。

本市では、これまで有識者によって構成される入札監視委員会を設置してきました。

しかしながら、同委員会の「横須賀市の入札制度・運用に関する意見書」では、落札率にこだわるあまり、業者間のダンピングを抑制することにはつながらず、ここ数年の経済不況と相まって、市内業者の倒産を招く要因になったとも思えます。
市長はマニフェストの中でのシンボル政策のひとつとして、入札制度の改革を宣言されています。
(1)良い仕事をする企業が報われる入札制度にします。
(2)地元の仕事は地元の企業にお願いします。
また、事業者を交えた第三者委員会を設置して、検証を行うとされています。
入札制度の見直しについて、私も全くその通りだと思っています。
地元産業の活性化と入札契約の適正化のための入札制度改革を推し進めることが急務であると考えます。

そこで市長にお尋ねいたします。
現在、横須賀方式と呼ばれる「平均額型最低制限価格制入札制度」に対する市長のお考えと、この制度の運用によって、これまで毎年20億円から30億円にも上る不用額の中で、年間およそ5億円から6億円とされる契約差金を残すことができたことに対する評価についてお聞かせください。

次に去る、5月21日財政部長より緊急経済対策の一環として、「入札制度の見直し」が発表され、7月1日開札分より当分の間として、調整率の変更が行われました。

この調整率と呼ばれるものが、現在の低価格応札の原因と思われます。
今回の見直しにより、これまでの90パーセントから95パーセントに引き上げが行われましたが、低価格応札の問題点は調整率の数字ではなく、平均額算定の対象割合の基準をどこに置くかということではないかと思います。これまでの制度では、入札者のうち入札金額の下位6割としていましたが、さらに6月に発表の「緊急経済対策に伴う入札・契約事務の運用について」(追加)として、平成21年7月22日開札分から当分の間、A「建設業種:とび・土工・コンクリート・鋼構造・舗装・塗装・防水・電気通信・造園」については、10割(入札書採用割合)の者の平均額に算定方法が変更されましたが、一方下位6割を対象とするB「建設業種:Aの業種以外」という方式が、従来通りのまま存在しております。Aの業種以外というのは「土木一式工事・建築一式工事・大工工事・左官工事・石工事・電気工事等々であります。なぜ、現在二通りの入札方式が存在し、また運用されているのか。その理由と市長のお考えをお聞かせください。

また併せて、市内業者の優先発注について、測量業務の委託入札については、市内業者の2分の一、地籍測量調査については市内業者限定として、先に申し上げた二通りの入札方式と同様、昨今の経済状況を踏まえた、2年間の「期限付き緊急経済対策」として運用されるものか、あるいは恒久的な制度として将来へ繋がる運用となるのか、大変気になるところであります。この点について、市長のお考えをお聞かせください。

また、市長は、マニフェストの中で、予定価格の事前公表の廃止を示されています。そもそも電子入札の導入は、
(1)不正入札の防止
(2)情報漏えいの防止
(3)透明性確保
のためであり、その点において高く評価されてきたものと思います。
今後、事後公表にすることは、見積もりの適正化が図られると同時に、市職員の設計積算能力を高めることにつながるものと期待します。しかし一方で、情報管理について人的作業の要素が強く、情報漏えいの対策が必要となります。神奈川県においては、積算の情報公開を進めるなど入札の適正化に努めているようです。本市における、そのような情報公開の必要について、市長のお考えをお聞かせください。

また、神奈川方式を参考に、「最低制限価格」の決定方法を検討するとのことですが、そもそも神奈川方式といわれる「最低制限価格制度」と本市における「平均額型最低制限価格制度」は、平均額算定の方式が異なるものであります。
ならば、本市の「平均額型最低制限価格制度」を廃止したうえで、神奈川方式である「最低制限価格制度」を採用すると、明らかにされたほうが良いのではないでしょうか。
入札制度改革は、地元産業の活性化を促すために、取り組まなければならない喫緊のテーマであります。入札制度改革に向ける市長の意気込みをお聞かせください。

次に今後の市政運営として、現在の本市の財政は極めて危機的な状況にあると所信表明で述べられていますが、私はこの危機を脱するひとつの施策として、民間にできることは積極的に民間で行っていくことが望ましいのではないかと考えます。

その事業のひとつに既に都市計画決定している市営墓地の第5期事業計画があります。
そこで、市営墓地の第5期計画、10,000区画増設計画についてお尋ねいたします。

同公園墓地は昭和55年に使用開始され、54.3ヘクタールの管理用地内に普通墓地7,274区画、芝生墓地17,726区画に加えて合葬墓として300区画の墓所数、計25,300区画の規模となっております。
そして更に10,000区画の増設を計画しているのが、この第5期計画であります。

そもそも市営墓地の計画は、昭和23年に中央公園墓地計画として面積61.4ヘクタールを都市計画決定し、その後昭和46年に策定された「横須賀市総合開発基本計画」のなかで位置づけられたものであります。
その用地取得としては、「旧軍港市転換法」に基づき、国有地の無償貸付申請が行われ、昭和53年旧大蔵省と貸し付け契約が締結され、現在に至っております。正確に言えば、現在の市営墓地は5年ごとの契約更新によって国から無償で貸付されているということになります。
公園墓地事業としては、その当時の墓地需要を勘案しつつ、昭和52年度から平成12年度にわたる全4期の事業として進められたものであります。

これまで4期にわたる整備工事において第1期から第3期事業までは、当該地が国有地であったことから、事業費が大幅に安く抑えることができました。
ところがその後、整備された第4期事業では、その一部に民有地が含まれており、丘陵地の整備が必要だったことから、用地取得費と工事費が大きく増加したとのことであります。
ほぼ同じ事業規模で行われた第3期事業と第4期事業の総事業費を比較しますと、第3期事業では22億7500万円が、第4期事業では86億5000万円となっております。
また使用料の推移をみますと、第1期募集時の永代使用料255,000円が第2期募集時330,000円に、第3期募集時には435,000円となり第4期募集では865,000円と第3期と比べても倍近い金額に跳ね上がってしまったのです。そこで市長にお尋ねいたします。

第5期事業計画を実現するための用地取得としては、これまでのような国有地ではなく、全て民地を前提に購入しなければ実現できないことは、これまでの建設常任委員会において、土木みどり部から報告がされております。そのようなことから、第5期事業計画が実現しても、用地取得を含めた総事業費の捻出が必然であること、その結果として現在の使用料865,000円がさらに高額化し、市民の希望する価格と大きくかけ離れることは明らかであります。
そのような状況のなかで、第5期事業計画の実現性について、市長はどのようにお考えかお聞かせください。

それと、現在、公園墓地には進入路が一つしかないため、お彼岸などの時期には大変な交通渋滞が発生していることはご承知のことと思います。入園してから、出るまでに1時間以上を要する場面もあるといった状況があります。
現在の墓碑の建立率が約60パーセント位と思いますが今後、お墓を建てる方が増えてくると更なる交通渋滞を招くこととなりますが、その対応策について市長はどのようにお考えかお聞かせください。

この第5期工事計画を実現するには、大規模な土地造成に伴う樹木の伐採などが必要でありますが、市長の示すマニフェストのなかで、不伐の森の指定や緑の保護を強く訴えてきた、市長の思いと逆行するのではないかと思います。

また、市長はこれまでの市会議員時代に「美術館」「ソレイユの丘」などの箱物行政に対し、強く批判されてきました。この点については私もまったく意見を同じくするところであります。また、市長は先の所信表明の中で、財政の再建の観点から「市独自の大型施設整備はいったんペンディング(保留)とすると述べられております。私はこの公園墓地第5期工事計画は、同じ意味において、吉田市長の言われる「財政負担を考えない、ひとりよがりのハコモノ」であり、早急な判断が必要と考えます。

そこで私は、先に述べた理由から、多額の事業費が必要となる第5期事業計画は、実施しないで、むしろ今後はこれに代わって、墓地の供給について民間の力を借りるべきと思いますが、その点についても市長のお考えを伺い、第1問といたします。

議会報告 Assembly Report
ご意見・お問合せはこちらから